あの日のケミストリーから生まれた面倒くさい議論の事(前編)

私。何かと議論をするのが好きなんです。内容は特に問いませんが、出来るだけ突き詰めて議論をするのが好きなんですよね。

 

例えば前方から左乳だけを出した女性が歩いて来たとしましょう。

 

この状況下に於いては何故片乳を出して歩いているか?との議論も当然しますが、一歩踏み込んで何故右ではなく左なのか?まで詰めた話をしたいんですよね。

 

そんな感じです。そんな感じの

 

 

 

面倒臭い性格です。

 

 

さて。そんな私が20年ほど前に、とある議論をするサークルに参加した事があります。

 

その内容は“サークルに参加した際に進行役がテーマを挙げてテーマについて参加者が一言自分の見解を紙に書き、進行役が参加者の書いた紙を一通り見た後に議論として面白そうな見解を発表してそれについて議論をする”

 

といったものです。説明長ぇな

 

 

そして私が参加した時のテーマは「いじめについて」でした。

 

議論のテーマとしては割と一般的な方ではないでしょうか。そのテーマに対して私は「いじめられる側も悪い」と書きました。

 

どんな状況であれ、いじめる側が絶対に悪いと思います。しかし場合によってはいじめられる側にも何かしら要因があるのではないか?と云う見解からそう書いて提出しました。

 

 

進行役が参加者の紙を集め全員の見解を書いた紙を一通り見た後、こう言いました。

 

 

「皆さんの見解は解りました。ありがとうございます。そこで一つ大変興味深い見解がありました。ヤマダッティさんの見解…いじめられる側が悪い、との事ですが…どのような見解でしょう?お聞かせください」

 

 

 

 

おや?

 

 

どうやら私は

 

 

 

「も」と「が」を書き間違えてた模様です。

 

 

随分とまぁ

 

 

 

思い切った事を書いてしまったようで。

 

 

ここで「すみません、それ書き間違いです…」と言えれば良かったのですが、私の

 

 

負けず嫌い

 
プライドが高い
 

議論好き

 
面白い事が好き

 

という悪い性格がケミストリーを起こしてしまい、この意見を押し通してみる事にしました。

 

 

「えーっとですね…まずですねぇ…」

 

 

と、私が思う

 

 

「いじめられる側にも責任があるのではないか?」と思われる個所をさながら一方的にいじめられる側が悪いかのようなような口振りで、他の都合の悪い部分を全力で無視して述べてみました。

 

 

その後進行役の方が「なるほど解りました。それでは意見のある方どうぞ。」との言葉が終わるやいなや

 

 

私を含めて11人の参加者の内

 

 

 

10人が挙手しました。

 

 

 

本当に

 

 

 

議論好きのヤツらは面倒臭いなぁと思いました。

 

 

 

そのの意見ですが案の定、私が敢えて無視した所を次から次へと的確に突っ込んできます。

 

しかしながら

 

屁理屈が得意な事だけが売りの私なので

 

相手「これは○○じゃないんですか?」

 

私「いやいや、それなら○○でしょう?」

 

 

と云った具合に

 

相手の微妙な言い回しの揚げ足を容赦なく取りながら、およそ人が考え得るであろう限界のあらゆる屁理屈と御託を並べながら凌いでいました。

 

 

正直なところ流石にこの見解で勝てる見込みなんて無いとは思っていましたが、議論好きの僕からすれば先方が正面から意見を投げかけてくれてその意見を切り返すのも何だか楽しくなってきて

 

 

 

いいぞッ!来いッ!!もっと来いッッ!!見せてみろッ!!オマエのッッ!!力をッッ!!!

 

 

みたいな気持ちになってきていましたし、状況的には「アウェーでの引き分けは実質勝ち」と云うヤマダッティルールを作っていたので「このままいけば負けないかも?」などと思ったりもしていました。

 

 

ですが。

 

次々と的確な正論をぶつけられ、屁理屈好きの私も流石に旗色が悪くなってきました。

 

 

なんとか私が千日手を目指して無理矢理意見を凌いでいるそんな状況の中

 

 

ある一人の女性がこう言いました。

 

 

じゃあヤマダッティさん。幼い頃に事故で思うように歩けなくなった人が、歩けない事が理由でいじめられていたとしても…いじめられる側が悪いのですか?

 

 

 

 

 

そんな訳ないやろ。

 

 

ごめんなさい

 

 

 

もう

 

 

 

もう無理です。

 

 

 

 

 

絶対に悪くないです。

 

 

もう言い返せない。

 

 

 

こんな印籠を出されたら完敗です。

 

 

でも

 

 

悔しい

 

 

このままならただの無駄に頑張ったヤツで終わってしまう

 

 

 

 

実際そうなんですけどね。

 

 

 

でも一矢報いたい

 

 

無茶な戦とは思っていたものの、ここまで貫いた信念ですから

 

この

 

最初から勝ちを確信しているヤツらに

 

 

 

何か爪跡を残したい。

 

 

しかし材料が無い。

 

 

 

 

てゆーか元々無かったけど。

 

 

 

どうすれば…どうすれば…

 

 

 

と考えていたら進行役の方がこう言いました。

 

「ヤマダッティさん。意見は無いですか?特に意見が無ければこれで終了になりますが…でもヤマダッティさん。一人でよく議論をされたと思いますよ?」

 

 

 

 

 

あった

 

 

 

そこにあった

 

 

 

勝利を確信しているヤツらに

 

 

 

 

もう既に兜を脱いでいるヤツらに

 

 

 

 

突き刺す事の出来る

 

 

 

 

 

一本の矢が。

 

 

 

 

 

 

さぁ反撃の時間です。
 

 

続きます。→

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