「君の名は。」を本当に観たのは果たしてアナタなのかワタシなのかそれともダレなのか。

先日地上波で映画「君の名は。」が放映されていたようだ。数回目の放送である。

2016年に公開されたこの大ヒット映画を私は観た事が無い。別に特別アニメが嫌いな訳でも、天の邪鬼的な気持ちでもない。ただ純粋に観たいとは一度たりとも思わなかった。

 

しかし全国を巻き込んだ大ヒット映画との認識はしているし、「どんなものか?」と思う気持ちも少なからずある。

しかしわざわざ2時間弱テレビの前で張り付いて観ようとも思えない。

 

とはいえ内容は抑えておきたい気もするので観た事がある人に内容を聞いてみる。勿論勝手極まりない質問であるとは思うので負担にならない程度に詳細までは求めず、簡潔にストーリーを尋ねる。

大雑把でいいのだ。起承転結を端的に教えて欲しいだけである。だがいつも同じ着地点に辿り着く。

 

 

 

 

男と女が入れ替わって…

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

で説明終了。

 

 

聞いておきながら失礼だが率直な感想は「それぐらい知ってる」である。「で?それから?」と尋ねるとそれから先の説明は概ね有耶無耶で内容がさっぱり解らない。他の人に尋ねてみてもやはり男女が入れ替わる程度の情報でそれ以外は有耶無耶である。

 

 

映像が綺麗で男女が入れ替わる物語。

 

 

私にはそのような印象しかない。しかしそれだけの内容で、あれ程の大ヒットを記録するとは到底思えない。タイトルの意図すら見えない。恐らくタイトルが伏線として機能している筈だが回収されている予感めいたものすら感じない。 

 

 

大ヒットするからには印象に残るハイライトが必ずある筈である。そのハイライトが男女が入れ替わる事だと言うのか?しかし誰に尋ねても男女が入れ替わる事で説明が終わってしまう。やはりそういうストーリーなのか?

 

 

むしろ男女が入れ替わる事は宣伝の段階で私も認識していた。宣伝でストーリーの核となる所謂ネタバレを晒す事など有り得るのだろうか?いや無い。有り得ない。タブーすぎる。

 

 

いずれにせよ宣伝の段階で私が認識していた「君の名は。」と、実際に「君の名は。」を観た人との情報量の差異は無いに等しい。

 

 

つまりこの状況から推測される事。それは

 

 

 

 

 

 

あいつら観てない説

 

 

 

である。何故なら言わずもがな観ていない私の情報との差がないのである。観ていないとしか思えない私の気持ちが特異とも思えない。むしろ自然な結論の導き方とすら思う。

 

 

しかし。

 

 

 

この状況からもう一つの可能性もある。にわかに信じ難い事ではあるが、可能性として存在するものが1つある。それは――

 

 

 

 

 

 

私が実は観ていた説

 

 

 

という可能性である。先程とは逆の理屈になるが、観ていた人達と私は同じ情報を持っている。それはつまり私が観たからこそ成し得た事実ではあるまいか。

 

 

実際に私が映画を観たと仮定して、知らない人に映画の内容を説明しようとしても可能である。「男女が入れ替わって…」と観た人達と同じように説明ができる。後の説明は適当に有耶無耶でOK

 

 

 

 

となると。やはり私は「君の名は。」を観ていたというのか?意識としては観てないと思いながらも実際は観ていた?しかし観ていない自分を演じたかった?でも観ていた?それはいつ?どこで?え?私は?

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名は?

 

 

ヤダなにこれ怖い。

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