ハンバーグを食べたい

ハンバーグを食べたい

ブログで唐突にハンバーグを食べたい、と言われた側はどう思うだろうか。好きにすればいい、そう思うのが一般的だと思う。

 

しかし一般的に語る事で終われない感情が私の中にある。この単純明快である一言が私にとっては至極珍妙な思いにさせたのである。

 

 

私はハンバーグが好きである。それは事実である。しかし私自身から過去にハンバーグを食べたいと言葉に発した事がないのも事実である。

 

勿論これまでに幾度となく口にした。専門店にも何度も赴いた。ただ、そのどれもが外部要因に依る所であり、私自身の欲求が発端となりハンバーグを食べた事がない。何故ならばハンバーグを食べたい、と思った事がないからである。そう考えれば至極当然と言えるのではあるまいか。

 

 

その私が今、ハンバーグを食べたいと思っている。ハンバーグが好きであるという事実と、食べたいと思った事がない事実。好きなのに欲が無いという矛盾にも似た2つの感情の交差に対して私は何を思えばいいのか。

 

 

そもそも私は本当にハンバーグが好きなのか。或いは今まさに私の中にある食べたいという感情は本当なのか。ハンバーグという皆に愛されるコンテンツに対しマジョリティで在りたいという願望なのではあるまいか。普通への憧れなのか。何が正しいのか。本当の私は何処にいるのか。ロジックは何処にあるのか―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

ロジックなんてない。

 

 

 

ハンバーグが食べたい。それだけで良いじゃないか。食べたいなら食べればいい。それだけでいい。

 

 

それまで私の感情に蠢いた霧がかったモヤのようなものがにわかに晴れだした。私はハンバーグが好きで今食べたい。それだけの話なのである。

 

 

 

 

暗い外とは矛盾するように私の心は明るかった。帰路につく足取りも普段以上に軽い。家に帰ると疲労困憊の鼻先にほのかに香る肉を焼く匂い。

 

私は1日に対してお疲れ様と心の中で呟きながらアルコールを口にし、程よく焦げ目のついたチキンソテーを頬張った。

 

 

私はハンバーグが食べたい。

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